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値決めと性格

値決めをどうするか

商売をしていると、値決めをどうするかというのが一番重要で、また、悩みの種となります。
稲盛和夫さんの有名な言葉にも「値決めは経営である」というものがあります。

値決めをする際の要素は様々ありますが、先日お客様とミーティングした際に、特にサービス業では自分の性格(仕事に対する考え方)も値決めの重要な要素になるというお話をさせていただきました。

今回のコラムでは、札幌市東区で税理士(所属税理士)をしている筆者が、「値決めと性格についての関係性」をご紹介します。

値決めの要素

冒頭にも述べたように、値決めは経営にとって最重要です。
利益をたくさんのせれば儲かるかもしれませんが、買ってもらえない可能性も高くなります。

反対に、利益をあまりとれないのであれば、商売がなりたたなくなります。
買ってもらえて、かつ、経営が成り立つ値段をいくらにするか、そのサジ加減が難しいところです。

小売りであれば、まず原価が決まってきますから、それにいくら利益をのせれば販管費をまかない、設備投資や借入返済ができるのかなどということを考えるのが一般的だと思います。

ただ、特にあまり原価のかからない、役務の提供が主のサービス業だと、だいたいの相場というのはあったとしても、やはり仕事の質が人によって変わってきますので、相場にこだわって値決めをしてしまうと失敗するケースがあると思います。

値決めと性格との関係性

商売を始めた直後は売り上げが少ないことが多いので、「売れそう」という要素が値決めにとって大部分を占める傾向にあります。

「売れそう」を重視すると、想定よりも安い値段にしてしまい、その値段に合わせた品質で仕事の量をこなす方向に進むことになりがちです。

「売れそう」な値段に合わせた品質で仕事をすることに対してマイナスの感情を抱かないのであれば、その方向でいいのかもしれません。

しかし、あなたの「性格(仕事に対する考え方)」が、手間がかかってもしっかりと納得のいくものを提供したい、品質にとことんこだわりたいというものであれば、「売れそう」を重視するのはおすすめできません。

値段に合わせた品質で仕事をしているつもりでも、自分の納得のいくものにしたいという思いが残りますので、知らず知らずのうちに利益に見合わない時間をかけてしまいます。
そうすると、仕事の量をこなすために朝早くから夜遅くまで働き、休みもなかなかとれずに心身ともに疲弊するということになってしまいます。

ですから、もしあなたがそういう「性格」の場合はあまり「相場」や「売れそう」を重視しないほうがいいです。
いいものを適正価格で提供するという方向で進むのがベターです。

でも、「品質がよくてもこの値段じゃ売れないのではないか?」と不安になりますよね。
たしかに、やみくもに品質にこだわっても、ニーズがなければ売れません。
自分の理想と市場のニーズのちょうどいい分岐点を探るのは非常に難しいことです。

やっぱり値決めは難しい

自分が心身ともに疲弊せず、かつ、自分が納得できる品質で買ってもらえる値段にするには…

やはり値決めは難しいですね。
値決めに正解は無いのだと思います。

あなたが値決めをする際に、今回のコラムが何かのヒントになれば幸いです。