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租税資料館賞受賞

やったぁ!租税資料館賞受賞!

2020年、租税資料館賞奨励賞を受賞しました。
あまり人に自慢できるようなことはありませんが、これはちょっと自慢してもいいかなぁと思いました。

私は税理士試験の科目を4科目合格してから、ラスト1科目に合格できずに大学院に行くことを選択しました。

大学院で修士論文を書くことで試験の免除を受けるという方法は、ときに批判の対象とされることがあります。近年はそうでもなくなっているようですが、かつては、某巨大掲示板などにそれはそれはひどいことが書かれていました。

そういうこともあり、誰にも批判されることがないぐらい真摯に論文に向き合い、かなりの時間をかけて修士論文を執筆しまた。
今回の受賞は、それに対するご褒美のように感じます。

評に対して少しだけ反論

受賞作品の紹介ページには、選者による評が掲載されています。
それについて、ちょっとだけ反論したいなぁと思いました。
自分のブログぐらいにしか書くところがないので、みなさんは興味がないと思いますが、書かせてください。

評には、次のように書かれていました。

筆者が参考にしているアメリカ、ドイツの過大役員報酬規制については、原典を十分に検討しておらず、その訳出や引用などにも問題があることは否めない

さすがに選者の方は読み込まれているんだなぁというのがこの評を読んでの率直な感想です。
たしかに、他の部分に比べると、外国文献については研究不足の感が否めません。

しかし、(ここから少しだけ反論)
外国文献については、論文の中心的な結論とは異なる部分で引用しているものでありますし、言語の問題があり、日本語の文献と同じレベルで検討するのは困難を極めます。
それでも、引用した文献や裁判例については原典をあたり、和訳もがんばったのです。

それが甘えだと言われればそれまでです。
ただ、博士論文なら当然のことだと思いますが、修士論文で外国文献についても高いレベルでの検討を求められるのは酷ではないかと・・・

訳出に問題があるというのに対しては、「そのとおりでございます」としかいいようがありません。

自分で和訳するにあたっては、Google翻訳をはじめ、ネットの翻訳サービスを駆使し、かなりの時間を要しました。
時間をかけてやりましたが、やはり日本語としてダメな文になっていることは否定できません。
そもそも、外国語、特にドイツ語を和訳すること自体が難しいところ、税に関する専門的なことを訳すのは、かなり無謀な作業でした。

日本語でも、自分の専門外のことが書いてある難しい本を読んだときは、何が書いてあるかわからないのですから、外国の文献であればなおさらです。

引用に問題があるというのは、心当たりがありません。
脚注の書き方が悪かったのかもしれません。

これから税法の修士論文を執筆する方へ

論文を執筆するにあたっては、自分がとりあげる論点について、外国法と比較検討するというアプローチをとることがわりと多いと思います。

しかし、安易に外国法に触れるのはオススメできません。
私のように、「原典を十分に検討していない」と指摘されるおそれがありますし、学者の方や他の院生がかつて執筆した論文を参考にした場合は、「孫引き」を疑われる可能性が高まります。

外国語が得意という方であれば大丈夫かもしれませんが、原典を探すことからして難しいですし、個人的に相当苦労した部分です。

それでも、終わってみればそういう苦労を含めて、論文執筆はとても有益な体験でした。

みなさんも、がんばって執筆してくださいね。
試験免除ということ以外に、自分のためになることがたくさんあります。